「シンプルに書く」を読んだ
今日は「シンプルに書く-伝わる文章術」阿部紘久著(飛鳥新社)を読んだ。
まえがきによると「事実関係や自分の考えを、簡潔・明瞭に表現して、読み手の理解と共感を得るための大切なノウハウは、この本にすべて含まれています」と書いている。
著者のビジネスマンとしての体験と、文章教師としての経験を踏まえた、文章論の総集編、決定版として書いた本らしい。
内容は8章40項目に分けて、シンプルに書く具体的な方法と例文が書かれているので、わかりやすくなっている。
まず、注意しておくべきは、この本はビジネスマンを対象に書かれた、業務用の文章の書き方の本ということです。
なので、ブログの書き方を知りたい人には、関係のない部分もある。
しかし、文法的な部分は、どんな文章にも共通するので、そこは勉強になる。
なんといっても、この本の魅力は、例文の多さだろう。理屈が苦手な人には助かる本である。
例文が多いことによって、具体的に理解しやすくなっている。
しかし、その例文がなければ、A41枚に書ける内容ともいえる。
そして、学校で習った内容も多いが、気づかされることも多くある。
基本の確認という意味で、一度読んでおくのも悪くないと思う。
- 作者: 阿部紘久
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2012/09/06
- メディア: 単行本
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文を分ければシンプルになる
- 述語を早く示す
なかなか述語が現れない長い分は、頭がつかれる。
文を分けるということは、文末に来る述語が速く登場するということ。 - 短く切って着地する
「~ので、」「~が、」「~ため、」などを使うと文章が長くなる。
この接続方法のときは、文を分けることができる。 - 主語や主題の数だけ文を分ける
主語や主題が2つ以上あるときには、文も2つ以上に分けると、わかりやすい。 - 「一文一義」に分ける
「言いたいこと、伝えたいこと」がいくつかあるときには、その数だけ文を分ける。
言葉を削るとより多く伝わる
- 余計な前置きはいらない
あまり意味のない前置きは省いて、本題に入る。 - 「だ・である」調が親切
業務上の書類は、「だ・である」調で書いたほうが親切。 - 同じ意味の言葉を重複して書かない
言葉は違っても、同じ意味のことをくり返して書けば、それも無用な重複。 - 最初と最後に同じことを書かない
「明らかに~は、確実です→明らかです」「~の理由は、~が原因です→~は、が原因です」 - 「1後でも短く、1字でも短く」
「~するように心がけるようになった」→「~するようになった」
無用な飾りを取り去る
的確に書く
- 言いたいことからズレているのに気づく
書けない時は「考えが未整理なのか、不明確なのか」を疑う。
次に「浮かんだ言葉が、自分の言いたいことと合っているのか」をチェックする。 - 述語を大切にする
主語は省くことができるが、述語が不適切であったり、抜けていると、言いたいことが伝わらない。
①主語と述語をかみ合わせる
②目的語と述語をかみ合わせる
③述語を書き忘れない
④述語の共用にご用心 - 基本的な言葉を正しく使う
語彙が少なくても、基本的な言葉を正しく使えれば、ビジネス文書は書ける。
①似た言葉と混同している場合
②言葉の意味を取り違えている場合
③言葉の使い方を間違えている場合 - 「する」と「させる」を使い分ける
「○○が(は)~する」「○○を~させる」 - 新しい話し言葉の影響を避ける
新しい話し言葉は書き言葉として受け入れられていない。
①短縮系
②逃げ腰系
③ずらし系
④新語系 - 「てにをは」(助詞)を正しく使う
日本語は「てにをは」で文の形にする。その大切さに注意を向ける。
①「に」と「で」
②「に」と「を」
③「を」と「が」
④不要な[で]の混入
⑤不要な「の」の混入
⑥必要な「てにをは」の脱落
分かりやすく書く
- 主語や主題を断りなしに変えない
断りなしに主語や主題を変えると、読み手は戸惑ってしまう。 - 言葉足らずにならない
余計な言葉は削るべきだが「思いを表現しきれているか」というチェックを忘れない。 - 他の意味に取れる表現を避ける
「読み手が、違う意味にとることがないか」をチェックする。 - 修飾語は直前に置く
修飾語は、その言葉の直前、あるいはなるべく近くに置く。 - 「曖昧接続」を避ける
原因と結果の間を曖昧につなぐ書き方は、勧められない。 - 「箇条書きにできないか?」と考える
列記する場合には、箇条書きが優れている。 - 表にしてみる
いくつかの数字を並べる場合には、表にするに限る。
長文をシンプルに構成する
- 同じ話はまとめて書く
同じ話は、とびとびに何度も書かずに、まとめて書く。 - 「しかし」「しかし」を繰り返さない
同じ話をまとめて書くと「しかし」で話が行ったり来たりしない。 - 基本は時系列
時系列で順を追って書き進むと、理解が容易になる。 - 骨子で構成を考える
長文の構成の鍵となるのが、各段落の骨子。
①段落の長さと数
②骨子
③骨子で設計図を作る
共感が得られるように書く
- 強調語を使い過ぎない
最大限の修飾語や強調語を使うと、共感度を下げてしまうことがある。 - 自分を誉め過ぎない
自分を誉め過ぎるのは得策でない。事実を淡々と書いて、事実に語ってもらうと共感度が上がる。 - 凝った表現を避ける
ビジネス文書は、持ってまわった表現、凝った表現は避ける。 - ネガティブ・アプローチを避ける
反対の考えをまず紹介して、それをひっくり返していく書き方。 - 目に浮かぶように書く
人は頭の中に具体的なイメージ(映像)を思い浮かべることで、感情移入して共感を覚える。