マルキンクラブ

知らないうちに老人会に参加できる年に…。気持ちは若いけど、いろいろ悩みも増えますね。(笑)

「シンプルに書く」を読んだ

今日は「シンプルに書く-伝わる文章術」阿部紘久著(飛鳥新社)を読んだ。
まえがきによると「事実関係や自分の考えを、簡潔・明瞭に表現して、読み手の理解と共感を得るための大切なノウハウは、この本にすべて含まれています」と書いている。
著者のビジネスマンとしての体験と、文章教師としての経験を踏まえた、文章論の総集編、決定版として書いた本らしい。
内容は8章40項目に分けて、シンプルに書く具体的な方法と例文が書かれているので、わかりやすくなっている。
まず、注意しておくべきは、この本はビジネスマンを対象に書かれた、業務用の文章の書き方の本ということです。
なので、ブログの書き方を知りたい人には、関係のない部分もある。
しかし、文法的な部分は、どんな文章にも共通するので、そこは勉強になる。

なんといっても、この本の魅力は、例文の多さだろう。理屈が苦手な人には助かる本である。
例文が多いことによって、具体的に理解しやすくなっている。
しかし、その例文がなければ、A41枚に書ける内容ともいえる。

そして、学校で習った内容も多いが、気づかされることも多くある。
基本の確認という意味で、一度読んでおくのも悪くないと思う。

シンプルに書く!

シンプルに書く!

文を分ければシンプルになる

  1. 述語を早く示す
    なかなか述語が現れない長い分は、頭がつかれる。
    文を分けるということは、文末に来る述語が速く登場するということ。
  2. 短く切って着地する
    「~ので、」「~が、」「~ため、」などを使うと文章が長くなる。
    この接続方法のときは、文を分けることができる。
  3. 主語や主題の数だけ文を分ける
    主語や主題が2つ以上あるときには、文も2つ以上に分けると、わかりやすい。
  4. 「一文一義」に分ける
    「言いたいこと、伝えたいこと」がいくつかあるときには、その数だけ文を分ける。

言葉を削るとより多く伝わる

  1. 余計な前置きはいらない
    あまり意味のない前置きは省いて、本題に入る。
  2. 「だ・である」調が親切
    業務上の書類は、「だ・である」調で書いたほうが親切。
  3. 同じ意味の言葉を重複して書かない
    言葉は違っても、同じ意味のことをくり返して書けば、それも無用な重複。
  4. 最初と最後に同じことを書かない
    明らかに~は、確実です→明らかです」「~の理由は、~が原因です→~は、が原因です」
  5. 「1後でも短く、1字でも短く」
    「~するように心がけるようになった」→「~するようになった」

無用な飾りを取り去る

  1. 文の形をシンプルにする
    一般に、「○○は(が)」と書き始めると、シンプルで分かりやすくなる。
  2. 動詞をシンプルにする
    「学びを受け取る→学んだ」「展開を行う→展開する」「開発を実施した→開発した」
  3. 動詞の後の「ことで」を見直す
    「ことで」→「ば/と」「ので/ために」「し/て/して」
  4. 話し言葉特有の無意味な言葉を削る
    話し言葉には意味のない言葉を付けくわえる傾向がある。
    ①「の方」
    ②「という形」
    ③「中で」
    ④「自身」
    ⑤「自体」
    ⑥「に対して」
    ⑦「なります」
    ⑧「いく」「くる」

的確に書く

  1. 言いたいことからズレているのに気づく
    書けない時は「考えが未整理なのか、不明確なのか」を疑う。
    次に「浮かんだ言葉が、自分の言いたいことと合っているのか」をチェックする。
  2. 述語を大切にする
    主語は省くことができるが、述語が不適切であったり、抜けていると、言いたいことが伝わらない。
    ①主語と述語をかみ合わせる
    ②目的語と述語をかみ合わせる
    ③述語を書き忘れない
    ④述語の共用にご用心
  3. 基本的な言葉を正しく使う
    語彙が少なくても、基本的な言葉を正しく使えれば、ビジネス文書は書ける。
    ①似た言葉と混同している場合
    ②言葉の意味を取り違えている場合
    ③言葉の使い方を間違えている場合
  4. 「する」と「させる」を使い分ける
    「○○が(は)~する」「○○を~させる」
  5. 新しい話し言葉の影響を避ける
    新しい話し言葉は書き言葉として受け入れられていない。
    ①短縮系
    ②逃げ腰系
    ③ずらし系
    ④新語系
  6. 「てにをは」(助詞)を正しく使う
    日本語は「てにをは」で文の形にする。その大切さに注意を向ける。
    ①「に」と「で」
    ②「に」と「を」
    ③「を」と「が」
    ④不要な[で]の混入
    ⑤不要な「の」の混入
    ⑥必要な「てにをは」の脱落

分かりやすく書く

  1. 主語や主題を断りなしに変えない
    断りなしに主語や主題を変えると、読み手は戸惑ってしまう。
  2. 言葉足らずにならない
    余計な言葉は削るべきだが「思いを表現しきれているか」というチェックを忘れない。
  3. 他の意味に取れる表現を避ける
    「読み手が、違う意味にとることがないか」をチェックする。
  4. 修飾語は直前に置く
    修飾語は、その言葉の直前、あるいはなるべく近くに置く。
  5. 「曖昧接続」を避ける
    原因と結果の間を曖昧につなぐ書き方は、勧められない。
  6. 「箇条書きにできないか?」と考える
    列記する場合には、箇条書きが優れている。
  7. 表にしてみる
    いくつかの数字を並べる場合には、表にするに限る。

長文をシンプルに構成する

  1. 同じ話はまとめて書く
    同じ話は、とびとびに何度も書かずに、まとめて書く。
  2. 「しかし」「しかし」を繰り返さない
    同じ話をまとめて書くと「しかし」で話が行ったり来たりしない。
  3. 基本は時系列
    時系列で順を追って書き進むと、理解が容易になる。
  4. 骨子で構成を考える
    長文の構成の鍵となるのが、各段落の骨子。
    ①段落の長さと数
    ②骨子
    ③骨子で設計図を作る

共感が得られるように書く

  1. 強調語を使い過ぎない
    最大限の修飾語や強調語を使うと、共感度を下げてしまうことがある。
  2. 自分を誉め過ぎない
    自分を誉め過ぎるのは得策でない。事実を淡々と書いて、事実に語ってもらうと共感度が上がる。
  3. 凝った表現を避ける
    ビジネス文書は、持ってまわった表現、凝った表現は避ける。
  4. ネガティブ・アプローチを避ける
    反対の考えをまず紹介して、それをひっくり返していく書き方。
  5. 目に浮かぶように書く
    人は頭の中に具体的なイメージ(映像)を思い浮かべることで、感情移入して共感を覚える。

視覚的な効果を考える

  1. 読点は意味の切れ目に打つ
    読点は大きな意味の切れ目を「予告」する役割を担っている。
    ①長めの主語の後に打つ
    ②長めの目的語の後に打つ
    ③理由.原因の説明の後に打つ
    ④前提.状況の説明の後に打つ
    ⑤読点で意味を分断しない
  2. パターン認識しやすいように書く
    われわれは文章を読むとき、1つの固まりとしてパターン認識している。
  3. 「 」を活用する
    頭の中で感じたこと、考えたことも「 」で括ると読みやすくなる。
  4. 見出しを活用する
    見出しを見たときに、全体の構成がわかり、論点も察しがつけば、読み手の理解が助けられる。
  5. インデントを活用する
    美しいレイアウトには、説得力がある。